【マリオネット】シリーズ

2009年2月22日 (日)

[青かった空⋯⋯失った少女]

 青色のソラ

 とても広い空

 

ああ、忘れてた

     空はこんなに、青かったんだ

 

 あまりにも青くて、見ていられない空

 

 目が霞む

 

 その空に、傷ついた腕を翳した

 

 つい、触れたくなるような痛み

 

 いつからか見上げなかった昼の空

 

 

 悲しいのは何故?

 

 

 組んだ指には蝶が止まった

 でもこの蝶は

 

 エレボスの涙の、訳を知らない

 

 私とおんなじ哀れな子

 

 

 嗚呼、乾いた地面の感触が

 摺り寄せた体に纏わりついた

 

 消えてゆく

 

 

神様、私はどうすれば・・・

 

エレボスの涙の、訳を知れる

 

 

 まるで遠くにいるように

 感触の薄れていく私の肌

 

 少しずつ、消えてゆく

 

 温かみの薄れる感触が、今私にはある

 

 流れていく雲

 

 少しずつ、暗くなる

 だけどきっと、晴れているはず

 

 

 ついに私の瞳は

 

 何も映さなくなった――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***************** 鈴猫コメント *****************

久しぶりに更新できました。そして久しぶりの【マリオネット】シリーズです。
中々物語の過程が定まりませんが、やっとちょっと決まってきました^^
「少女が感覚を失っていく」という過程で、なんだか悲劇的なラストをイメージしますね・・・
 
これからもどんどん書いていきたいです^^
   
では、またご意見&ご感想など、コメントお待ちしておりますcat

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2008年12月29日 (月)

[黒き水⋯⋯白き羽]

 湖の中に

 ただ独りで立ちつくし

 

 エレボスは、水面を見つめる

 

 

 仄かに揺れる水面

 髪を揺らした静かな風

 

 エレボスは自分の闇を彷徨った

 

 自分はいったい何なのか

 少女は自分の何なのか

 この次々と生まれ往く感情は何なのか

 

 水に溶け出していく、エレボスの右腕

 その色素を吸い込んだ水は

 

 黒く濁った

 

 ヒカリを惑わす闇の黒

 

 亡国の刃

 

 だが、たった一筋の光になりえた

 

 少女の笑顔

 

 それまでもが、この水に消えてしまいそうで

 

“やめろ―――”

 

 輪廻を超えた恐怖

 

 烈火の瞳

 

 一瞬にして、静寂が狂う

 

“それまでも

     持ち去るな――“

 

 すべてを失くしてからの

 初めての涙

 

 それがエレボスから流れたとき

 

 光の腕が、エレボスを包んだ

 

 狂い気から冷めない体

 

 天使の腕を傷つける

 

 気づいたときには

 少女の腕には既に傷が出来ていて

 

 それがまた、悲しい程に赦せなくて

 また、涙が出る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***************** 鈴猫コメント *****************

これが丁度、今年の九月に書いた詩です。
少女を天使に見立てました。
 
ここでもエレボスが傷つきますね・・・少女もですけど。
そして少女の名前は未だ未定です(-”-)
そろそろ決めたいですねぇ。
 
では、またご意見&ご感想など、コメントお待ちしておりますcat

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2008年12月27日 (土)

[一輪の花⋯⋯嬉々の赤]

  そこは町

  ユカイな町

  人々は歌を歌い、踊りを踊り、仕事をしている

  とてもユカイな町

 

  昼間の日に当たっても、その冷たさを失わないその手を握り、二人は歩く

 

さあよってらっしゃい!見てらったしゃい!

手品の得意な楽しいピエロが、皆に幸せを運んできたよ!

 

 真っ白な頬に赤い目の

おかしな格好をしたピエロが

剽軽な動きで踊りながら皆に花を配っていた

さあお譲ちゃん、君の花だよ

  差し出された白い花

―わたし白い花はきらいなの ―

おやそうかい、ではこの花はいかがかな?

 差し出された青い花

―わたし青い花もきらいなの ―

おやそうかい、ではこの花はいかがかな?

 差し出された黄色い花

―ピエロさん、わたし黄色い花もきらいなの ―

おやそうかい、どうやら私と気が合いそうだ。ではこの花は、いかがかな?

 

  差し出された、赤い花

 

―わたし赤い花は大好きよ ―

そりゃあよかった、大事にするといい

―ええ、とても大事にするわ ―

 

  色とりどりの花の中で、一際美しいその花を胸に抱き

  少女はエレボスの瞳を見る

  

 何も言わないエレボスは、ただ少女を見つめ返す

  

 海の音

  

 さざめく波の音を聴き、エレボスはわずかに目を細めた

 眉根を寄せて、不機嫌になる

  

 少女の手が差し出される

―あなたの花よ ―

 エレボスは目を見開き、その花を見つめた

―あなたにあげる ―

 

そしてまたエレボスは、初めて知る感情に酷く戸惑う

“うれしい・・・・―――?”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***************** 鈴猫コメント *****************

ちょっとベタすぎやしないかと心配なのですが、一応ちゃんと載せました。
少しは平和な場面もあったほうがいいですしね^^
 
少女の名前・・・
なかなか難しいですね(・_・;)
私は特に名前とかには細かな意味をつけたい人なので、いろいろ迷います(|||_|||)
皆さんはこの「少女」に名前をつけるとしたらどんな名前をつけますか?
ちょっと募集してみます(^_^)
  
では、またご意見&ご感想など、コメントお待ちしておりますcat

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2008年12月23日 (火)

[赤い月⋯⋯エレボスは笑わない]

 生暖かい風

 糸を失ったマリオネットは、それでも前に足を出す

 

 

 入り組んだ道

 エレボスの冷たい手に肩を抱かれて、私は前に進む

 

 空が揺れる

 

 夜の冷たい空を感じながら、私は生暖かい風に指を絡ませる

 

 呟く声音は

 ささやかな恐れを含んで、詩(うた)のごとく堕ちていく

 

ねぇ、エレボス・・・

あなたの瞳()―― 〰

 

 風が靡いた

 

 やさしい手が、そっと背を押した

 

 暗黒の丘

 

 そう、暗黒の丘

 

 漆黒の空は、エレボスの右腕

 小さな風にも倒れるように靡く草は、エレボスの記憶

 純白の星の中に浮く、血を零したような赤い月は、エレボスの瞳

 

 エレボスは笑わない

 

 純白の星を孕んで、赤い影を落とす月

 その光る影にそっと手をかざして、やさしく握ってみる

 

エレボスは何も言わない

 

 光る荒野

 脱兎の夜風

 

 冷たい草はなおも靡き

 エレボスは笑わない

 

 彼の白い頬を柔く撫で、その薄紅い唇に唇を重ねる

 

そしてそっと、その舌を噛む

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***************** 鈴猫コメント *****************

これはエレボスが記憶を失ったその日の夜ですね。これも結構気に入ってます^^
それにしても、以外と大胆な行動をしますね、少女。自分で書いといてなんなんですけど・・・
 
ちょっと私的な話題になりますが、この前友達に私の詩を見せたら、「ああ~、ちょっと中二病が入ってるよね、これ」と言われました・・・
自分でも気づいてましたけど、言われると結構へこむもんですね・・・。
それでも書き続けますけど(>_<)/

では、またご意見&ご感想など、コメントお待ちしております

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2008年12月21日 (日)

[太陽の林檎⋯⋯少女のなみだ]

  不透明な世界

 日のかがやき

壊れたマリオネットはどこ?

 

 

 齧られた林檎

 滴る果汁

 嘗めとる恍惚なる舌

 

 森の中のエレボスは、水の音に耳を澄ます

 

遠くの泉

 木の葉の朝露

 手の中のしずく

 隣に座り込む、少女のなみだ

 

 エレボスは少女を見つめ、子どもの表情でそのなみだを見つめる

 

 解けない問題を見る、不思議そうな子どもの瞳()

 

 とまらぬなみだはエレボスの手を濡らし

 エレボスはそのなみだを見つめる

 

 美しく感じるものを見る、恍惚の目で

 

 やがてその意味を知るエレボスは、その感情の訳を求める

 

“悲しみ―――?”

“それは、なに――?”

 

 ころがった林檎は心の奥へ

 エレボスの記憶の道をころがる

 

 感情のないエレボスは

 少女のなみだの、訳を知れない――

 

 糸を失ったマリオネットは、自力で立つことが出来ない

 支配する者のなくなった体には、生気がない

 

 分からない――

 少女のなみだが美しい――なぜ――?

 少女がなみだを流す――なぜ――?

 少女が悲みを感じている――なぜ――?

 そして――

 

 悲しみの意味が分からない――なぜ――?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***************** 鈴猫コメント *****************

大分普通の物語っぽくなって来ましたね。
もうちょっと詩的要素を入れていきたい感じもしますが、あまり過去の作品には手を加えたくない人なので・・・

物語としては、自分の名前以外全ての事を忘れてしまったエレボスが、少女に対して強い興味を示すトコロですね。
多分これから色恋沙汰に発展していくと思われますが、どうぞこれからの展開をお楽しみ下さい(^_^)
 
では、またご意見&ご感想など、コメントお待ちしておりますcat

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2008年12月17日 (水)

[赤いマリオネット⋯⋯幻影のエレボス]

 いくつもの風景

風に舞う地の中で

私が見たのは、ひとつの影

エレボスの幻影

なにもない空間

ただそこにあるだけのモノ

愛しい人は誰?

マリオネットが動き出す

大きな動物園で、エレボスが呼んでいる

ウサギを抱いたエレボスが、私を抱きしめる

温かみの薄れる感触は、まだ私にはない

散っていく花

マリオネットは前に歩く

 

小さな遊園地で、エレボスが手を握る

風船をたくさん持ったピエロに、嫉妬してる

モバイルパークは赤い花

小さな棘が、私の胸を貫いていく

マリオネットは、糸がボロボロ

罪のエレボス

赤い花

ただひとつ胸に抱いて

草村の檻に身を隠す

悲しい影が、エレボスを抱いて

嬉々の光が、世界をなでる

後ろ向きに回るメリーゴーランドで、髪が揺れる

花びらが全て散って

私を抱いたエレボスの右腕が、漆黒に溶ける

愛しいエレボス

マリオネットの糸が切れる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ***************** 鈴猫コメント *****************

この作品は、「Sound Horizon」というグループの方が作った曲を聴いて思いついた詩です。
一部かなりパクってしまった部分が多いかもです・・・ごめんなさい(T-T)
 
これは、同じシリーズで何個か作っているので、新しいカテゴリーを作らせて頂きました^^
物語的な感覚で読んでもらえれば幸いです。
これがちょうど今年の5月~6月頃に書いた詩です。結構いっぱいシリーズが続いているので、【マリオネット】シリーズは、二回に一回の間隔で更新していきますね。
 
では、またご意見&ご感想など、コメントお待ちしておりますcat

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